自己愛性パーソナリティ障害(NPD)のフーバリング(引き戻し)という手法
- Aira-Life-Coaching
- 2024年3月2日
- 読了時間: 3分
更新日:2月17日

Hoovering/フーバリングは、自己愛性パーソナリティー障害(NPD)の人が主に②脱価値化と③廃棄の段階で用いる手法です。別れた後や距離を置くことにした後、または冷淡な態度をとった後などに、NPDがターゲットを引き戻そうとする時に使います。
元は掃除機のメーカー"Hoover"から来ていて、文字通り掃除機のように、自分の元に吸い戻そうとすることです。
例えば、あなたの大切さに気がついたなどと言いラブボミング(愛の爆弾)を降り注いだり、今の恋人(友人・部下etc)の不平不満などをあなたに愚痴ったりしてtraiangulation(三角関係化)に持ち込んだり。身内が亡くなって辛い、事故や重い病気にかかった、など同情をひくような事を言ってきたりします。嘘とわからないような巧妙な嘘をついたり、口先だけのフェイクの謝罪をしたり、こちらの罪悪感をあおるような事を言ったり、まるで自分が被害者のように振る舞ったりもします。
そして、NPDの人はターゲットが何を望んで、何を言って欲しいのかを察知するスキルに非常に長けています。なので冷淡な態度や別れの後、落ち込んでいたあなたを喜ばすような事を言って、ああこの人はやっぱり私のことを一番理解してくれる、という気持ちにさせます。
どうしてフーバリングするのか?それは、NPDの人は常に誰かに褒められたり、崇められたりしたいという欲求があり、それを満たすためにターゲットをキープしておいて、自分の都合の良い時に利用しようとするからです。
だからきっぱり繋がりを絶たない。連絡先をブロックせずに残したり、共通の友人などを通して連絡してきたり、例えばパートナー関係を終わりにしても、これからは良い友達でいようなどと言い、ターゲットと繋がりを断とうとしません。
あなたを大事に思ってるからではなく、自分の欲求を満たすためにそうしているのです。
でもそう思わせない。巧みな言葉であなたを引き戻そうとして、離れた事を本当に後悔してあなたの素晴らしさを再認識し、元に戻りたいと思っている、本当に大切に思ってくれている、理解してくれると思わせるのが最高にうまいです。
信じるな、これはフーバリングだ、と突き放すのは心理的にものすごく難しいのです。
それが罠。
ターゲットにフーバリングの予備知識がなければ、抗うのはまず難しいでしょう。
だからこの手法を頭に置いておいてください。知識として、知っておいてください。心理的にコントロールされてしまう自己愛性パーソナリティ障害との関係では、自分の置かれている状況を客観的に認識する事が非常に難しい。
だから「知る」事が大事です。知識はあなたを守ってくれる武器になります。
一人で抱え込まず、信頼できる人に相談したり、インターネットや本、SNSで自己愛性パーソナリティ障害について発信している人などを調べてみるのも良いです(情報の選択には注意)。NPDに共通する特徴や手法というものがありますので、それを学んで自分の置かれた状況を違う角度から検証してみましょう。
さらに自己愛性パーソナリティ障害のサイクルや、フーバリングなどの手法について詳しく知りたい方は、
をぜひお読みください。
あなたが健やかで明るい未来へ向かいますように。
メンタルヘルス・依存症サポートワーカー/ライフコーチ
堂前宏美
References:
Shahada Arabi, "Power-Surviving&Thriving After Narcissistic Abuse" 2017, Thoughts Catalog Books
Anna Dreschar, "Narcissistic Hoovering" 2024, Simply Psychology
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