自己愛性パーソナリティ障害(NPD)のラブボミング(愛の爆弾)
- Aira-Life-Coaching
- 2024年2月25日
- 読了時間: 4分
更新日:2月17日

自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の人が多用する「ラブボミング(愛の爆弾)」という手法があります。
文字通り愛を爆弾のごとくターゲットに降り注ぐこと。特に段階①のidealization (理想化)の段階で多用されます。
惜しみない愛の言葉をあなたに降り注いだり、情熱的な口説き文句やあなたをまるでお姫様の様に扱ったり。頻繁な電話やメッセージでいつもあなたの事を考えているような素振りをし、あなたのほしい事を全部わかっているかの様に、求めている言葉を与えてくれます。プレゼント攻撃や、サービス(送り迎え、看病、料理など)も惜しみません。付き合いだして日が浅いのにあなたの事をソウルメイトだとか運命の相手と言ったりするのも典型的です。
この様に愛の爆弾を降り注ぐ事で、あなたはまるで、相手と自分がまるで世界で二人きりの様な錯覚を覚える事が増えます。世界でたった二人だけの甘美な関係。そのようにして、NPDの人はターゲットを他の人間関係から切り離して、自分に依存させるのです。
そうする事によって、あなたの心を支配しコントロールする下準備をしています。
この愛の爆弾は、「段階②脱価値化」や「③廃棄」でも使われます。冷たくされたあとや無視された後や、別れを仄めかされた後、関係を切られた後に、愛の爆弾を再び浴びせる。冷淡な態度に絶望したあとのあなたにとって、再び降り注ぐ愛の言葉は染み入る様に喜ばしく、幸せが何倍にも感じられます。そして再び手にしたこの喜びを二度と手放すまいと、相手の関心を惹き続ける事に躍起になってしまう。言われる通りに行動したり、言いたい事があっても口をつぐんだり。そうやって知らない間にどんどん心が支配され、行動が制限されていきます。
多くのターゲットが、NPDの人との過去を振り返る時、一巡目の段階②の脱価値化の時点で、あれ、なんだかおかしいな、と感じ始めた時点でNPDの人とキッパリ離れるべきだった、と言うそうです。
段階①から③を経て二巡目の①の段階になってしまうと、辛い思いをした後のハネムーン期なのでますます幸せに感じ逃れられなくなってしまいます。三巡目、四巡目、となるほど自分から抜け出すのは難しくなるし、より苦痛を伴います。
なぜそんな相手に固執するのかと言えば、最初の①理想化の段階で愛の爆弾を与えてくれた相手のことを、はっきり覚えているからです。あの時の彼または彼女をどうかして取り戻したくなる。今の冷淡な彼は真の姿ではない、あの時のあの人が本当の姿だと。
でもそれは違うんです。
関係が始まったばかりの頃の優しくあなたを愛してくれた相手こそ、仮の姿、幻想です。降り注がれた愛の爆弾は、その後あなたを支配するための準備に過ぎなかった。あの時の彼または彼女は、もういないのです。
その事が腑に落ちる瞬間が必ずあるはずです。あれ、おかしいな、と感じる自分の心に蓋をしないでください。
一人で悩まず、助けを求めてください。
信頼できる友人に話を聞いてもらい客観的に状況を見てもらうのも良い方法です。
あなたを本当に長年大切にしてくれている家族や友人が、今の苦しんでいるあなたを見てどう思うのか知る事も、自分の気が付かなかった視点で物事を見る助けにもなります。
日記を書いてみるのも良い方法です。相手に言われた事やされた事を後から客観的に判断することができます。
一人で苦しまなくていい、信頼できる誰かに頼りましょう。
さらに自己愛性パーソナリティ障害のサイクルや、ラブボミング他の手法について詳しく知りたい方は、
をぜひお読みください。
あなたが健やかで明るい未来へ向かいますように。
NPDサバイバー回復コーチ
堂前宏美
References:
Shahada Arabi, "Power-Surviving&Thriving After Narcissistic Abuse" 2017, Thoughts Catalog Books
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