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NPDの病的な嫉妬心

更新日:6月9日




自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の診断基準の一つに以下があります。


しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。

     

(DSM-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル『医学書院』より)


NPDの人は、周囲の誰よりも自分が優れており、自分だけが賞賛され成功を手にする特別な存在だと思いこんでいます。よって自分以外の誰かが何かを達成したり、賞賛を浴びることに対して極端な嫉妬心をあらわにします。素直にうらやましい、尊敬する、などと表現することはできず、自分の嫉妬心を自分でも認めることができないため、それは不当な怒りや言いがかり、やつあたりなどで表現されます。


NPDの治療で述べたように、本人は心の根底で低い自己肯定感に苦しんでおり、それを補うために、自分は特別だという誇大性を持つことで自己を保っています。なので、身近な人が自分より優れた業績をおさめたり賞賛されたりすることは、自己を揺るがす恐怖となります。その結果、度を越した嫉妬心が沸き上がり、怒りや敵対心となって現れるのです。


また、他人が自分を良く思っていなかったり、身近な人とトラブルがあったりした際は、自分の言動に何か悪いところがあったのではないか、と省みることができないため、あの人は優秀な自分に嫉妬しているのだ、と思い込みます。関係性を改善しようという視点に立てず、自分が特別な存在だから妬まれて孤立するのは仕方がない、あの人は優秀な自分にはふさわしくない、と考え、適切な人間関係を築けずに切り捨てたり、又は向こうから離れていったとしても、気にしないと強がったりします。


注意しなければならないのは、NPDの人がターゲットとの関係の初期の理想化の段階では、ターゲット過剰すぎるくらい賞賛する事です。


愛の爆弾の一つとして、沢山の誉め言葉やあなたに対する尊敬の言葉をこれでもかという程降り注ぎます。あなたの才能や成功を讃え、周りの人に自慢したりもします。


それが脱価値化の段階に入ると、以前の様にほめたり、あなたが何か達成した時に喜んだりするという事がなくなり、そんな事は大した事ではないと馬鹿にしたり、あなたの成功に不機嫌になったり、または目標を達成しようとする事を邪魔したりするのです。


なぜかと言うと、あなたの才能や成功や他者からの評価を得ると、NPDの人は自分が持っていないものや欠けているものを思い出し、自己を脅かされるからです。


また、ターゲットが自分以外から承認を得て賞賛を浴びれば、自分の支配下から抜け出してしまう。コントロールし続けるためにも、あなたの成功は邪魔しなければなりません。


関係の初期の段階で、あなたに過剰に賞賛の言葉を浴びせたり、それなのに途中から成功を喜ばなくなる、あなたの人生の大事なイベント(試験や面接など)を邪魔してくる、などの行動が見られたら注意が必要です。


あなたは本当に大切な人の目標の達成を邪魔しますか?

成功を過小評価してバカにしますか?


しないですよね。

大事な人が幸せになることを願い、何かを成し遂げたら、共に喜びたい。


それが真の信頼や愛情です。


あなたにもそれを築く権利があるのです。


あなたの幸せを願い成功を心から喜んでくれる。

そんな人と真の信頼関係を築いていってください。



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References:


Shahada Arabi, "Power-Surviving&Thriving After Narcissistic Abuse" 2017, Thoughts Catalog Books.


Shahada Arabi, "The Pathological Envy Of Narcissistic Reveals How Powerful Their Victims Are." 2024, Thoughts Catalog.






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