二股をかける自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の心理
- Aira-Life-Coaching
- 2024年2月9日
- 読了時間: 4分
更新日:2月19日

特別な恋愛関係、パートナーシップを持つということは一対一の関係を結ぶ事、が一般的な考え方ですが、中には二股をかけたり同時に複数の人と関係を持つ人もいます。
二股をかけられた方の人は非常に苦しむのが常です。心を殺されるというか、もう一人の人と比べて私はダメなのだ、だから相手はあの人とも付き合ってるのだ、という圧倒的自己否定が襲ってくるのです。
苦しいながらも健全な自己肯定感をもってして、相手の二股や浮気がわかった時点で、はいさよなら、そんな人はこっちからお断り!とすっぱり見限る事が出来れば良いのですが、そうはいかず様々な事情から、又は相手からの愛情により自己肯定を満たしている場合には、なかなか離れることができず苦しみ続けてしまう場合もあります。
二股、浮気、不倫は自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の人によく見られます。三角関係化もよく用いられる手法です。二股をかける自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の心理とは一体どういうものなのでしょうか。
あなたは相手の事をとても愛していて、他の人と同時に付き合うことなど、とても考えられないのに。
相手もあなたと一緒にいる時は優しく大事にしてくれて、あなたの事だけを愛してくれている様に振る舞う。あんなに自分を愛している彼が、他の人とも付き合って同じように優しくしてるなんて、想像できない。きっと他の人にはこんなに優しくしてないはず、本当は私の方を、そっちよりもずっと愛しているはず。
とあなたは思っているかもしれません。
Compartmentalization (自己の区画化)
同時に複数の人と交際できる人というのは、自分の中に沢山部屋を作っています。例えば「Aさんと交際している自分」を入れておく部屋、「Bさんと交際している自分」を入れておく部屋は別々です。Aさんと一緒にいる時は「Aさんの恋人の自分」が入っている部屋から自分を出してくる。Bさんと一緒にいる時は「Bさんの恋人としての自分」がいる部屋から自分を出してくるのです。
別々の自分がやっている事なので、罪悪感も生まれくい。だからAさんもBさんも同時期に、同じ様にに付き合う事ができる。二人とも同時に「私がこの人の一番」と思わせる態度を取る事が可能なのです。
このようにCさん、Dさん、Eさんの恋人としての自分がいる部屋を、どんどんと作っていくこともできてしまう。
その時と場合によって、一番都合の良い部屋から自分を出してきて対応しているのです。
この様に、自分の中に細分化した部屋を作ることをCompartmentalization (自己の区画化)と言います。
Compartment は小部屋、区画のこと。その部屋を幾つも作る事が、Compartmentalization です。
だから、二股をかけられているあなたは、他の誰かと比べて優れているとか劣っているとか、考える必要はありません。違う部屋に入れられているだけなのですから。
私が個人的に、Compartmentalization を良く表しているなあと思うのが、漫画の『凪のお暇』です。
主人公の凪ちゃんがお付き合いするキャラクターで、ゴンさんという男性がいます。 このゴンさんこそ、Compartmentalizationを無意識に行なっている人物だと私は思います。
なんとも魅力的なキャラクターなのですが、この彼のCompartmentalizationに、主人公の凪ちゃんは振り回されてボロボロになってしまいます。
現在この漫画はまだ連載中で、ゴンさんの内面にも色々変化が見られており、興味深く気になるところです。
ストーリー前半の、彼のCompartmentalization の本領が発揮されているお話には、彼がいかに魅力的に、いかに悪気がなくCompartmentalizationをしているか、 がとても良く描かれてあると思います。興味のある方は是非読んで見てください。
*さらに自己愛性パーソナリティ障害のサイクルや、他の手法について詳しく知りたい方は、
をぜひお読みください。
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あなたが健やかな明るい未来へ向かいますように。
NPDサバイバー回復コーチ
堂前宏美
参考
『凪のお暇』作者:コナリミサト 出版社:秋田書店
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