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自己愛性パーソナリティ障害に依存してしまう境界性パーソナリティ障害

更新日:2月23日

自己愛性パーソナリティ障害に依存してしまう境界性パーソナリティー障害

今日は「境界性パーソナリティー障害(BPD)」についてお話します。

 

私自身が、診断が下りているわけではないのですが境界性パーソナリティ障害の傾向があります。自分でそれに気が付いた経緯となる、私の精神疾患の経験についての記事はこちらです。



それでは、境界性パーソナリティー障害とは一体何でしょうか。

 

DSM-5 (精神疾患の統計診断マニュアル) では、境界性パーソナリティ障害は以下のように記されています。

 

  1. 現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとするなりふりかまわない努力 

  2. 理想化とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる不安定で激しい対人関係様式

  3. 同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像や自己観

  4. 自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの(例:浪費、性行為、物質濫用、無謀な運転、むちゃ食い)

  5. 自殺の行為、そぶり、脅し、または自傷行為のくり返し

  6. 顕著な気分反応性による感情不安定性(例:通常は2 - 3時間持続し、2 - 3日以上持続することはまれな強い気分変調、いらいら、または不安)

  7. 慢性的な空虚感

  8. 不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難(例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかをくり返す)

  9. 一過性のストレス関連性の妄想様観念、または重篤な解離性症状

 

<医学書院より引用>

 

 以上は、最も核となる診断基準です。ネットで調べると、この9項目が出てくるので、これにあてはまった方が自分は境界性パーソナリティ障害だと思いがちですが、これだけですぐ診断というわけではありません。DSM-5には、何ページにもわたって詳細が書かれており、診断は簡単ではありません。正確に診断を下すには長期に渡って診察を重ね、他の診断の可能性を注意深く排除しなければなりません(境界性パーソナリティー障害は特に、双極性障害やPTSDと特徴が似ているケースがあります)。

 

私も診断がおりたわけではありません。あくまでその傾向があるということです。傾向があると認識できたことは、診断がつかなくてもその治療法を参考に自分で対処して行くことができるという点で、良かったと思っています。

 

境界性パーソナリティ障害の傾向がある人は自己評価が低く、自分自身への愛情を自分で満たす事ができずに他者に求めてしまうため、自分と他者との線引きが難しくなってしまいます。

 

過剰に他者に愛情を求めますが、見捨てられ不安が限界まできてしまうと、今度は反対に自分からわざとその人から嫌われるように仕向けてしまいます。嫌われると、やっぱりそうだったんだ、思った通りだった、とある意味、自分の低い自己評価が正当化されて安心するのです。

 

なので、周りの人からすると、昨日まで重たいくらい愛情を求めて来たのに、今日は突然冷たくされたり、その振り幅があまりにも大きく、混乱してしまいます。

 

自分勝手な行動に見えるかもしれません。

でも本人は、相当苦しいのです。

 

そして周りの人も、その振り幅の大きさに振り回されて、疲れ切ってしまう。

 

あなたの大切な人がもし、境界性パーソナリティ障害で、あなたがそれを支えているのなら、あなた自身の心のケアも忘れないでください。

 

医師に診てもらっているのなら、周りで支える人もその医師に相談できることが望ましいです。パーソナリティ障害は、生育関係、対人関係が深く関わっていますので、周りで支える人と共に治療できる環境が望ましいのです。支える人のケアのためにも。

 

そして、自己愛性パーソナリティ障害に依存してしまう境界性パーソナリティ障害の人も多いです。BPDの人の愛情を渇望する心に、自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の人の初期の理想化の段階でのラブボミングが、ぴったりとはまってしまいます。


渇望していたものを与えられ、NPDの人にどんどん依存するようになってしまい、抜け出すのが難しくなります。知識があなたを守ります。BPDについてもNPDについても学び情報を集めて知識を得ましょう。


境界性パーソナリティ障害は年齢を経ていくと改善されていく事が多いと言われています。

DBT(弁証法的行動療法)という境界性パーソナリティ障害に特化した認知行動療法もあります。

 

診断されていなくても、傾向がある場合、障害の特性や治療について本を読んだりする事で助けになる事があります。

 

苦しいけど何がなんだかわからない、という状況から、こんがらがった糸が少しほぐれて少し抜け出す事が出来たり、周りの人も、振り回されてわけがわからない、と混乱していたのが、行動の理由がわかって少し整理されたりします。

 

パーソナリティ障害については、日本では近年認知が進み、良い本が多数ありますので、読んでみることをお勧めします。



そしてパーソナリティ障害ではなくても、このように相手のことを忘れられない、苦しいのに離れられないという状態に陥っているとしたら、恋愛依存症かもしれません。


恋愛依存症についてさらに詳しく知りたい方は、


動画講座『恋愛依存症』をご覧ください。


依存症の専門家でもある講師が、依存症の知見から恋愛依存症を解説し、そこから抜け出すヒントをお伝えします。


・恋愛依存症とは

・依存症の脳内ホルモン

・なぜ離れられないのか

・依存から抜け出すには

 

 

あなたが健やかな明るい未来へ向かいますように。

 

NPDサバイバー回復コーチ

堂前宏美

 


References:


Diagnostic Statistical Manual of Mental Disorders, Text Revision (DSM-5-TR) American Psychiatric Association Publishing, 2022


岡田尊司『境界性パーソナリティ障害』幻冬舎(2009)



コメント


森の木

下記の内容に当てはまる場合は
「自己愛性パーソナリティ障害(NPD)」の可能性があります

相手の言動で以下のパターンに当てはまることはありませんか?

もしあてはまるなら相手は「自己愛性パーソナリティ障害(NPD)」の可能性があります。

  • ​あなたとの関係に第三者を持ち込もうとする(元恋人、他の友人、他の同僚など)

  • あなたが傷つくようなことをしたり言ったりした事を覚えていない、又は本気でなかった/冗談だったなどとごまかす

  • 冷たい態度をとった後、非常に優しくなる

  • 別れても友達でいようなどと言って関係を保とうとする

もしあなたが相手のこのような言動に傷つき悩んでいるなら

まずはあなたの頭の中でこんがらがってしまった糸を少しずつほぐしていきましょう

 

自分に一体何が起きているのか 相手との関係に何が起きているのか

だんだんとそれが見えてきます

やがてはっきりとクリアに理解した時

初めてあなたは自分にとってベストな選択ができるようになる

私がそのお手伝いをします

 

自由な心を取り戻して​ より良い自分の未来へと進んでいきましょう​​​

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