境界線てそもそも何?
- Aira-Life-Coaching
- 2024年11月13日
- 読了時間: 4分
更新日:2月22日

自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の人は、他者との境界線を適切に引くことが出来ずに、ターゲットの境界線を踏み越えて侵入して来ます。その結果人の手柄を自分のものにしたり、ターゲットの大切なものを搾取したりします。
ターゲットになりやすい方は、この境界線を引くことが得意でなく、相手が踏み越えて自分の領域に入ってきてしまっても、それを許してしまう傾向があります。
NPDの人から身を守るために境界線をしっかり引きましょう、という言葉を聞いたことがある人が多いと思います。
しかし、ターゲットになりやすい方は幼い頃の養育環境や親との関係、愛着の問題、過去のトラウマや傷などから、適切な境界線の引き方を学ぶ機会に恵まれなかったという方も多いです。
それでは境界線とは一体何なのか?境界線には様々な種類に分かれます。
①身体的境界線
他者が自分にどのくらいの距離にいるのか、これ以上は不快に感じる、という線です。距離が近づきすぎたり、自分の部屋などの領域に入ってきた時、どこまで不快に感じずに許せるかというラインです。
例:「今日は疲れたから一人になりたいので帰ります」「そんな風に触らないでください」「私の部屋から出て行ってください」
②感情的境界線
自分の感情よりも他者の感情を優先しないラインのことです。自分が嫌な気持ちになったり犠牲にすることで相手の気分を良くしようとしている、というのが境界線を越えているサインです。
例「そんな風に言われると悲しいので止めてください」「あなたの気持ちはわかるけれど私には今それを聞く余裕がないから今度にしてもらえますか」
③時間の境界線
自分の時間を削ってまで相手の要望をかなえたり時間を費やさない境界線のことです。自分の時間を優先できるライン。
例「二時間だけお付き合いできます」「今日は一人でいたいんです」「予定がいっぱいなのでお断りします」
④性的境界線
お互いを尊重しあい合意のもとに性的関係を成立させること。お互いのプライバシーを尊重し相手の不快なことはしない。
例「それをされるのは好きではないのでやめて」「今日はただリラックスして休みたい」
⑤物質的境界線
「俺のものは俺のもの、お前のものは俺のもの」にならない境界線。お金、住居、車など、許せるラインまでしか相手に使用をみとめない。
例「お金を貸すことはできません」「私の車は使わないで」「今月末までに出て行ってください」
これらの境界線を、相手にきちんと示すことを、まず自分に許してください。どの種類の境界線も、キーは「自分が不快になっていないか、我慢や犠牲を伴っていないか」と言うことです。
そして、境界線を伝えたときに相手がどんな風に反応するかも注意を払いましょう。
健全な関係でしたら、相手は健全な反応をするはずです。理解と賛同をし、態度を改め、話し合うことによってお互いの関係が良くなるはずです。
反対に、怒られたり非難されたり、まったく態度を改めない、最悪の場合去ってしまう。
このような反応を見せる相手とは、健全な境界線を引くこと、ひいては健全な関係を築くことは難しいでしょう。
自分を犠牲にして保つ人間関係ではなく、お互いの境界線を理解し尊重できる相手とかけがえのない関係を築いていきましょう。
健全な境界線を引くことは、幼いころの親との関係(愛着スタイル)や養育環境が影響しているます。愛着スタイルについてもっと深く知りたい方は、
動画講座「愛着スタイルと愛着障害」をご覧ください。
各スタイルの特徴や形成される背景など詳しく解説しています。自分のスタイルを知るテスト付きです。きっと回復の手がかりがみつかると思います。
あなたが明るく健やかな未来へ向かいますように。
NPDサバイバー回復コーチ
堂前宏美
Comments